歯科矯正といえばこちらです
ブラケットと呼ばれるセラミックスや金属を歯の表面につけて、ブラケットの中央の溝に針金のようなものを入れ、歯に力を加えます。
するとまず、力が加えられた方向の歯根膜が圧縮されて貧血状態になり、歯根膜を通過する血液が減少します。
体が感知して、その周辺の化学的環境が変化し、細胞のパターンが変化します。
圧迫された部分から歯根骨に隣接する歯槽骨組織を溶かしていく破骨細胞というものが出現して、働き始めるからです。
一方、圧縮される方向と反対側の引っ張られる側では、歯根膜が引っ張られることによって膨張し、歯槽骨を新しく造っていく造骨細胞が出現して活動を始めます。
つまり歯根膜内の血流量が減少すると骨を溶かす破骨細胞が出現し、血流量が増加すると新たに骨をつくる造骨細胞が出現して、このふたつがうまくバランスをとりながら歯を動かしていくのです。
矯正治療中、ワイヤーをはずして歯を磨いてもらうときに歯がグラグラ動くので、歯が抜けるのではないかと心配される患者さんもいらっしゃいますが、いま解説したような過程の状態にあるだけで、治療後は歯が動かないように固定されますから、まったく心配する必要はありません。
虫歯などの治療では通院は週1〜2回というのが普通ですが、矯正治療では3〜5週間に1回の通院が普通です。
患者さんがいくら早く終了したいからといって、それよりも短い間隔で治療すると、歯根が吸収し、歯槽骨が減ってしまいます。
矯正治療には、骨を溶かす期間と骨をつくっていく期間が必要なのです。
どちらかというと間隔が短すぎるよりは、間隔が開きすぎるぐらいのほうが歯などへのダメージが少ないのですが、その分、治療期間が長くなってしまうので、なるべく歯科医師の指示に従って通院することをおすすめします。
その際、1回当たりの治療時間は30分〜1時間というのが標準でしょう。
矯正治療を経験した人の話は、良い点も悪い点も教えてくれるのでとても有効ですが、情報が少なく、その情報が偏ってしまうという欠点があります。
普通、矯正治療を考えている人のまわりに、たくさんの治療経験者がいるということは、あまり期待できませんから、たいていはひとりかふたりの経験者の意見を聞いて判断せざるを得ません。
また、教えてくれる人の矯正をした経験が何年も前だったりすると、多くのことを忘れていたり間違った記憶をしている場合もあります。
経験者が楽観的なタイプの人であれば、矯正治療の良い点についていろいろ語ってくれるでしょうし、悲観的なタイプの人なら矯正治療でつらかったことばかりを語るでしょう。
経験者の話はとても参考になる場合が多いのですが、その経験者の記憶や性格などによって内容が左右することを念頭に置いて聞くことが大切です。
矯正治療をしようと考え始めたら、まずご自身でいろいろな情報を集めなければなりません。
この情報収集にはいくつかの方法がありますが、それぞれの方法の長所・短所を見てみましょう。
本は知識の宝庫です。
正確に多くの情報を得たいのであれば、やはり本に勝るものはないでしょう。
どんな本と出会うかによって、患者さんの運命が決まってしまいます。
理想としては、良い本と出会い、その本を何度も読み返して自分の知識のコア(基)をつくってからいくつかの歯科医院で相談し、自分の考えに近いところで治療を受けるというのがベストでしょう。
頼に足る良書に出合うのは、なかなか困難なことです。
とくに最近は、広告の一環として自費で本を出版して書店に並べているケースもあるので、そのような情報を鵜呑みにするのは危険な場合もあります。
矯正は治療費も高額で、しかも大変な治療ですから、労力を惜しまず何冊かの本を読み比べ、自分が納得できる本を見つけて、その本を何度も読み返してから矯正相談に行くことをおすすめします。
パソコンの普及によって、自宅にいながらインターネットでさまざまな情報を集めることができる時代になりました。
とても便利な世の中になったと実感している方も多いでしょう。
インターネットを電話帳代わりに使うこともでき、たとえば近所の歯科医院の中からどこにしようかと決めるときに、いくつかの歯科医院のホームページの中から自分のフィーリングに合うところを見つけ出すという方法もあります。
ホームページからの情報の特徴は、広く浅く調べたいときや調べた情報を比較したいときに便利だということです。
ただしホームページの性格上、宣伝の延長という面もありますので、患者さん自身が誇大な表現のホームページを見分ける目も必要になってきます。
実際に矯正治療を行う前に、歯形やレントゲン写真などの資料によって治療方針を立てます。
矯正治療の前には、たいてい矯正相談を受けることになりますが、この矯正相談は有料のところと無料のところがあります。
どちらがいいとは一概に言えませんが、有料で相談を行っているところは患者さんが多く、治療技術などにそれなりの自信があるので、あえて有料にしているのだと思います。
無料相談の場合、矯正とはどういうものなのかを気軽に聞いてみようというつもりでいくつかの医院をまわってもいいでしょうが、有料相談の場合は相談前に質問内容などを整理してから相談に行ったほうが、相談料は有効になると思います。
矯正相談とは、矯正治療の知識を得て自分の歯並びの状態を聞くことなどを指します。
歯を抜く場合も抜かない場合も、これらの資料によって治療のゴールを予測します。
決して矯正治療を誘導された、矯正しないと大変なことになると脅かされることになる場であってはなりません。
もし歯科医のほうが治療をするように誘導するようなら、その医院では治療をしないほうがいいでしよう。
あくまで矯正相談では、歯科医師は客観的な矯正の情報を提供するにとどめ、矯正をするかどうかは患者さんが家に帰ってゆっくり考えて決めるべきです。
その場で即決させ、決断をせかすような歯科医院は、ほかの歯科医院と比較されると負けてしまうからそうしているのだと思われてもしかたがありません。
ワイヤーを装着する前に、虫歯の治療をし、歯周病や歯肉炎の治療をします。
虫歯の治療の場合、矯正治療中や矯正治療後に治療をしたほうがいい場合もありますので、必ずしも矯正治療前にすべての虫歯を治療しておかなければならないというわけではありません。
歯を抜くのかどうか、歯を抜くならどの歯を抜くのかということを診断します。
歯科医は長年の治療経験によって治療結果の予測をしますが、歯の大きさや歯の形、顎の骨の厚みなど、100人いれば100人の個性がありますので、細部に至るまで治療結果を断定することは不可能です。
この精密検査の段階で大まかな治療方針が決まりますので、歯を抜くのか抜かないのか、治療期間はどのくらいなのか、トータルの治療費はいくらなのかなど、細かいことも十分に納得してから実際の治療に取りかかるようにしたほうがいいでしょう。
一方、歯周病や歯肉炎に関しては、矯正治療が始まると歯磨きをすることがいままでよりも難しくなりますので、矯正治療前に確実にあるレベル以上の健康な歯茎にしておくことが望ましいのです。
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